うつ伏せの後に上向きの体勢でもかまいません。横向きの体勢を取り入れることが向いているお客様は、うつ伏せの体勢が長く続くことが辛い方、それは、腰痛の方(背中、脚、裏面の筋肉の柔軟性が少ない方)、体型がふくよかな方などです。セラピストの体勢がお客様にもたれている場合もお客様は苦しく重くなりますので、細心の注意を払います。長いコースのお客様には、横向きの体勢をとっていただくことは、マッサージの新鮮さを感じていただけると思います。

  ポジション

 横向きの体勢は、頭が下がらないように必ず枕を置いて、天井側にある脚の膝がベッドに着くように楽に曲げてもらいます。脚と脚の間、もしくは、お腹に抱き枕的な枕や、クッションを置いてあげると体が安定し、マッサージの圧も楽に受けられます。

 

 うつ伏せの背骨に対する膝が直角のポジションのストロークと目的が似ています。背骨と平行に走っている脊柱起立筋を外方向(横向きの場合は天井方向)に引き上げて伸ばしていきます。指先は、丁寧に腹部や胸部に回り込んでマッサージの幅を広げてください。

 

 横向きのポジションは、上半身の前側、背中側、臀部、脚部など、広い範囲を網羅できる便利なものです。胸部、鼠径部にも応用できます。

 胸部も、鼠径部も、背中などのストロークから、連続で、両手を使い、上から、下から密着してのアプローチが出来ます。

天井側、ベッド側の脚のストロークを仕分けます。

 天井側の脚は、大腿部の外側面にある靭帯、太もも裏面、ふくらはぎ、ベッド側の脚は、太もも裏面、ふくらはぎ、大腿部内側にある薄い筋肉にアプローチします。外側靭帯、内側筋肉共、圧をかけるスピードが速いとか、方向が傾いているという不具合に痛みを生じる部位なので、丁寧にとらえましょう。

単調にストロークしてしまいそうな、上向き脚をポジションの工夫、ストレッチとの組み合わせで、バリエーション豊かで遊び心を表現できるような部位に進化させます。

ポジション①
お客様の足先を両ひざで挟み込むように置きます。
  ポジション②

 膝を立てたポジションは、股関節前側の筋肉のストレッチ効果もあり、脚の裏面、表面、両方ダイナミックにマッサージできる便利なポジションです。

 

 上向きの脚は、うつ伏せの時と違って、膝蓋骨や脛骨(すねの骨)など、骨の突起部分が多く、大腿骨(太もも部の骨)は、表面に向かってアーチを描いているので、立体感が大きく、圧をかけるスピードには注意をします。

 

 膝下部に手や前腕をくぐり込ませることができるので、膝裏部を伸ばすつもりでダイナミックなストロークを展開します。

 

 前腕、手の平を大腿部に引っ掛けるように置いて、しっかり股関節を伸ばしていきます。

 動画では、両手を使って行っておりますが、Violetマッサージでは、肩や体幹を使って、ストレッチを行い、空いた手、腕は、官能マッサージなどを展開し、お客様の想定外を作ります。

お客様は肘を軽く曲げて手首などを支えられている体勢の方が楽です。お客様からの目線も近くなりますので和やかに会話できるような空気作りも大切です。

 
腕、手の平、手の甲、指などを丁寧にマッサージしていけば、お客様には、大きなリラックスタイムとなります。

 

 

 

 デコルテのマッサージは、筋肉の知識が少し必要となります。背中側の筋肉(筋肉には必ず相方の筋肉が存在します)には、圧の垂直方向が斜め上となるので、てこの原理を使ってマッサージします。

 

(アメリカのサイトから、画像の美しいものを探してみました。動画がステップ1からステップ9まであります。そこだけ、見てください)

 Violetマッサージは、性感マッサージを別にとらえるのではないと考えることも大きな差別化ポイントとなります。ボディメカニクスも通常の体のマッサージ(圧の関する調整項目も)と全く同じです。

ペニスに対する上下のストロークは絶対にいかにも性感マッサージっぽく早いストロークはマッサージというより作業、単なる刺激となってしまいます。ゆったり、優雅なマッサージにバージョンアップするためには手首、腕の回転をフルに使って、ペニスが左右、前後に押さえられることなく、一定の圧での上下ストロークが基本です。すべての曲線を細やかに捉えるために指の節の腹部分もそれぞれが圧の方向を調整します。
鬼頭の部位は特に慎重に曲線を捉えます。握るような手の平の形が基本で、手首を高い位置にキープして、手首から回転させます。指もすべて密着させます。指の腹だけでのストローク、指の節だけでのストロークも密着度が上がります。ストロークのスピードは、曲線が多い部分は特にゆっくり丁寧に行います。
睾丸部は、表面の皮の部分と、内部の睾丸自体への圧の方向を仕分けます。やはり、手先だけでマッサージをするのではなく、手首の内側から外への回転などを使い、心地よいストレッチ感を表現します。
セラピストは、ベッドに肘、もしくは、肘に近い前腕を深く置き、てこの原理を使って、突き上げていくストロークを、左右交互に行います。指部は、関節のカーブに合わせた垂直圧の調整に細かく注意します。指の間は骨のカーブに垂直圧を取り、全て優雅で流れるストロークにします。もし、足裏だけ、流れの無い、アジアの指圧っぽいノリになってしまえば、官能マッサージの流れが変わってしまうので、手のひらと同様、小さな限られた面積へのマッサージも流れを大事に考えます。
お顔がベッドの端っこに来て。セラピストは床に膝を付ける高さのポジションが取れたら、フェイシャルマッサージにも挑戦してみてください。エステティックなファイシャルマッサージではなく、お顔の表情筋を捉えたマッサージです。ボディツールは指の第二節部分をアイロンで衣類のしわを伸ばすイメージで使うと、深いリラックス効果が期待できます。