脚部分のマッサージは、ストロークのバリエーションが豊富であることも重要ですが、どんな目的のストロークかということがお客様に伝わらないと、受ける側は、予想より単調に思える部位です。しっかり、メリハリをつけて、基本のボディメカニクスを確認して練習してください。

ポジション①

脚を置いた状態。座り込まないで、ストロークが臀部方向に進む際、お尻を浮かせて体勢が遠くなることを防ぎます。足首の関節部を上から押さえつけないように注意します。(足首関節が過伸展となってしまいます)両ひざが、お客様の脚の外側に来るとマッサージの圧が斜め外側から常にかかることになるので、両ひざをお客様の脚の内側、外側に位置取ります。

 

 

ポジション②

脚、または、腰がお疲れのお客様の場合は、最初から、お客様のひざ下を大腿部の鼠径部に近いところ(セラピストの膝に近い大腿部だとお客様のすね部とセラピストの膝蓋骨が当たり、お客様は快適ではありません)に置きます。(脚の裏面の筋肉が緩んだ状態となり、うつ伏せの体勢の負担を減らす効果があります)最初ポジション①でストロークを進めても、途中からはポジション②に変えます。ポジション②のマッサージをしていない脚のひざ下にはクッション、枕などを置いて、膝関節が伸びていない状態を作ります。

 

片手で行う場合はお客様右足の場合は、左手、左足の場合は右手主導とする

 手の平による脚全体のストロークは、全く同じようなルート、スピードなどで、繰り返すのではなく、毎回のニュアンス、アプローチしたいことが伝わるように流れを作ります。
例:①一番シンプルで前置き的なストローク
②曲線をしっかりとらえた密着度を上げたストローク
③腕の回転を効かせて、曲線が優雅でエロティックなストローク
応用:アキレス腱とふくらはぎの筋肉の境目をしっかり仕分ける、大腿部の座骨付近をしっかり効かせる、大腿部内側、鵞足部、外側 腸脛靭帯部をとらえる、など、効かせる部位を理解する
 

 

片手、両手重ねて、両手で、要所をしっかり伸ばしながらのストロークなど、ニュアンスを変えていくことで。応用の幅が広がります。

両手を使う場合も主導側の手は同じです。Uターンの際には、親指側に圧を集中させて、圧が外に流れず、スケートをしているようなイメージで。

 

太もも裏面は大きな筋肉が二つあり、両手の平で、しっかり圧をかけるストロークが有効です

親指側に圧を集中させて、両手に平を内側から外へ広げるストローク、小指側のへりから、腕の回転で、太ももの側面におり、ダイナミックに引き上げます。

 

 

エロティックなストロークは、腕の回転をフルに使い、脚の外横面、内横面を引き上げていきます。楕円ルートを少しずつ変えていくとストロークは長く連続できます。

 

手の平、前腕は同時に使うことが出来ます。手首に力が入りやすい人にも使いやすい技です。

最初は手の平だけで、徐々に前腕も付けて使います。Uターンの時は前腕を浮かせて手の平だけのストロークにしても大丈夫です。アキレス腱のくぼみには前腕を入れ込んでマッサージ&ストレッチを狙います。

 

 

指の甲側を押し当てるようにしながらストロークを進めていくと、アキレス腱のようなけこんだ部位にもすんなりおさまり、こまやかに曲線をとらえることが出来ます。指の甲側のストロークを進めて、もう一方の手をひざ下から足先に向けるストロークを交互に行うと筋肉のストレッチ効果が上がります。

 

ポジション・・・ひざ下を脇に引き寄せます

 

 

膝の奥までしっかり垂直に圧を伝え、筋肉を伸ばします。足首のところで、一方の腕は足を支える役割も兼ねています。ね                          

 

ポジション①


ベッドの端近くに膝をつき、頭側から腰へのストロークを展開します。肩がお辛いお客様には、肩、首部を念入りにアプローチします。

 

着地は、指先、指の腹、手のひら、手根部と丁寧に

 

両手共親指側に圧を集中させ、指先と手根部が同じルートを進めるように、横滑りに注意してください。戻りのストロークは背中を丸く膨らませ、骨盤を立てて、背中から引き寄せるように戻ります。(腰から倒れているとスムーズには戻れません)

 

肩甲骨を三角形と捉えて、背骨と肩甲骨の間だけでなく、肩甲骨の外側ルートにもアプローチします。両手を進むストローク、手前に引くストロークの仕分けて、肩、腰を一度にストレッチします。

 

肩甲骨や腰の骨はその手前からしっかり、圧をキープして伸ばしたい方向に押していくイメージで、ストロークします。
首から腕に向かうラインは見た目より、くぼんでいると捉え、しっかり掘り込んでいくイメージでストロークを進めないと凝っている部分を逃がしてしまう可能性が大きくなります。         

両肩→片方の肩(凝っている方からが望ましい)

 

最初は大きなボディツール、手の平などを使い、小さなボディツールで、細かく、緊張を緩めていきます。親指を動かすのではなく、ロボットのような手をそのまま体で押していくと、曲線を捉え圧が滑らないストロークになります。

ポジション①とポジション②はどちらが先でも大丈夫ですが、お客様のお疲れなどから、ベストな流れをしっかりイメトレします。

ポジション①

両ひざをお客様の背骨に対して垂直方向に置きます。向かって遠い側の半身にアプローチします。このポジションのメリットは、背骨(中心)から、側面方向にストレッチ効果、引き上げ効果が見込め、首から足先まで、全身にアプローチもできるので、うつ伏せが終わる最後のストロークのために最後にもう一度このポジションもよいと思います。

 背骨に平行に走っている脊柱起立筋や肩甲骨、腸骨(腰の骨)を外方向、もしくは斜め外方向に伸ばしていきます

親指を使うことが難しければ手根部で、脊柱起立筋にアプローチする方法でも大丈夫です。頭側と腰側に伸ばすストロークは、親指側に圧を集中して、親指側からの手首の回転を使うとお客様がセラピストの体の重みを感じなくて快適です。ストロークが速くなったりしないで、リズミカル&ダイナミックさを演出しましょう。

 

ポジション②

ポジション①と似ていますが、膝の向きを約90度変えるだけで、目的は変わります。近い側の半身をダイナミックに前腕などを使ってアプローチできます。両ひざをお客様の頭側に向け、お客様に近い側の腕を使います。遠い側の腕はセラピストの違い側の半身がお客様にもたれないように支える役割も兼ねています。やはり、お尻は座り込み事なく、セラピストの肩甲骨から、前腕に圧を加えられる位置になるように、体勢を動かしていくのを手伝います。

前腕を主に使い、肩甲骨周りを様々な方向に、腰を脚方向に、伸ばしていきます。

お客様の体に前腕やひじ部がいきなり着地しないで、指先、手の平、前腕と、飛行機が丁寧に着陸するように触れていきます。背骨に平行に進むストロークは、肩の前側に降りる曲線まで、しっかり垂直圧を調整しながら進みます。ひじ側、もしくは、手首側がコンパスの中心となり、クレープを広げるようなイメージで、肩甲骨周りをストレッチ&マッサージします。

 

腕を丁寧運び、肩甲骨、上腕を回転、マッサージ、ストレッチする応用テクニックです。

肩甲骨を浮かすために、腕を後ろ側に運び、上腕を胴体に近づけます。上腕をしっかりサポートし、頭方向、脚方向に回します。回しながら、肩甲骨が浮いたところに手の平、または親指を入れ込み、最後は腕のマッサージ&ストレッチをしながら、丁寧に腕をもとの体勢に戻します。

お客様はセラピストと距離が近くなる嬉しいポジションです。

ポジション③

丁寧にお客様の腕を支え、セラピストの太もも、膝、すねあたりに、腕を添わせておきます。肩にも近くなるので、背中から肩、腕、広くアプローチできます。

 

 

 指先を常に進行方向に向けて、包み込むような手の平、親指を強調させて手の平などを、部位に合わせて、使い分け、腕の回転を使い、まとわりつくようにストロークします。手先で抜ける際には、指先まで、圧が最後まで無くならないように絞るようにゆっくり進みます。

背中全体、もしくは、背中、脚全体に及ぶ長くリラックス出来るストロークでうつ伏せを締めくくります。

ポジション①を再度使います。時間がある場合は両面とも。ない場合は、片側だけでも大丈夫です

 

位置移動は、慎重に。無理なら片側でも大丈夫です。

 

前腕を必ず親指側を内から外方向に回転させることで、圧の均等さと筋肉を伸ばす効果が上がります。肩甲骨や腸骨(骨盤の骨)の手前で骨を乗り越えるのではなく、押していくイメージで、しっかり上下、斜めにストレッチしていきます。

 

 

 
 両手の平で、両側の脊柱起立筋を上がり、肩のカーブにゆびをしっかり沿わせて戻ります。再び腰付近まで、戻ったら、背骨に重みを加えないように手をクロスして、左右のポジションを入れ替えて、再び両手で、臀部、脚を降りて、戻ります。ストロークの終わりは、足先、腕先などで、体幹で終わらないようにします。